大和まな
やまとまな大和の伝統野菜大和高田市、宇陀市 ほか
旬1612
大根の葉のような切れ込みを持つ濃い緑の葉で、やわらかく甘みのある奈良の古い菜です。
物語を読む
もとは種から油をとるために作られ、のちに漬け菜として食べられるようになりました。古事記に出てくる菘(すずな)が祖先とされ、県内でも特に古い野菜の一つといわれます。収穫するとすぐ葉が黄ばむため長く自家用にとどまっていましたが、産学官の連携で黄色くなりにくい品種が育成され、2009年に発表されてから店頭に並ぶようになりました。
使い方煮物、漬物、おひたしに使われ、油との相性がよいことから地元では薄揚げとの煮物が定番です。炒め物や辛子和えにも向き、12月以降に霜に当たるとやわらかさと甘みが増します。
出典
千筋みずな
せんすじみずな大和の伝統野菜宇陀市、桜井市、奈良市、曽爾村 ほか
旬1612
細い葉とシャキシャキした歯ごたえが持ち味の、奈良の水菜です。
物語を読む
奈良では古くから田んぼの裏作として作られ、奈良市大安寺八条地区では今も栽培が続いています。生産者が長年、茎が細く白く、やわらかな株を選んで種をつないできたことが、市場での高い評価につながっています。
使い方かつては大株を鯨と炊くハリハリ鍋に使いましたが、今はサラダ向けの小株が主流で、イタリア料理のサラダにも使われています。霜に当たるといっそうやわらかくなります。
出典
宇陀金ごぼう
うだきんごぼう大和の伝統野菜宇陀市
旬1612
畑の土に含まれる雲母が表面に付き、金粉をまぶしたように光るごぼうです。
物語を読む
明治の初めには「大和ごぼう」「宇陀ごぼう」の名で京阪神の市場に知られていました。金色に光る姿から縁起物とされ、正月のおせちに重宝されてきました。連作障害が課題となっており、県が原因を調べて対策技術を発表しています。
使い方肉質がやわらかく、ごぼうらしい香りが強いのが特徴です。たたきごぼう、きんぴら、煮しめに使われます。
出典
ひもとうがらし
ひもとうがらし大和の伝統野菜県下全域
旬1612
太さ5mmほどの細長い実をつける、皮のやわらかな甘味種のとうがらしです。
物語を読む
伏見系の辛いとうがらしとししとうの雑種から選ばれてきたと考えられ、古くから家庭で食べる分が作られてきました。名前はひものような形から来ており、「みずひきとうがらし」とも呼ばれます。夏のおかずとして親しまれてきましたが、流通関係者の要望を受け、近年はスーパーや直売所にも並ぶようになりました。
使い方油炒め、天ぷら、つけ焼きに向き、イタリア料理やフランス料理でも使われています。火を通すとやわらかくなり、甘みが増します。
出典
軟白ずいき
なんぱくずいき大和の伝統野菜奈良市
旬1612
光を遮って白くやわらかく育てた、サトイモの葉柄(ずいき)です。
物語を読む
ずいきを食べた記録は、天平時代の東大寺正倉院文書にまでさかのぼります。えぐみの少ない赤茎の唐芋(とうのいも)系を使い、茎が伸びるたびに新聞紙などを巻き足して光を遮るため手間がかかり、生産はごくわずかです。奈良市狭川地区では一度作り手が途絶えましたが、2018年に狭川地区に住む生産者が栽培を復活させました。
使い方アクやクセが少なく、料亭で使われる高級食材です。煮びたし、ごま酢和え、酢味噌あえなどに向きます。
出典
大和いも
やまといも大和の伝統野菜御所市、天理市 ほか
旬1612
皮が黒く形の整った、粘りの非常に強いツクネ芋の仲間です。
物語を読む
江戸時代の農書にも大和のツクネ芋が記されており、県は江戸時代後期には栽培されていたとしています。質のよさから戦前には関西の市場で名が知られていました。御所市産は「御所芋(ごせいも)」とも呼ばれ、最盛期には約300人いた生産者が、今は数人で伝統を守っています。
使い方きめ細かな肉質を生かして、山かけや薯蕷(じょうよ)饅頭などの和菓子、練り物のつなぎに使われます。御所ではとろろ汁にして食べられてきました。
出典
祝だいこん
いわいだいこん大和の伝統野菜宇陀市、奈良市、葛城市、桜井市
旬1612
直径3cmほどの細い大根で、関西の雑煮に使われてきました。
物語を読む
四十日大根の系統から選ばれた品種です。関西では角が立たないよう雑煮の具を輪切りにする習わしがあり、お椀に収まる細い大根が作られてきました。もとは「雑煮だいこん」として売られていましたが、大和野菜に認定された際に縁起のよい今の名前になりました。根が曲がりやすいため、手や鍬で丁寧に土を寄せて育てます。
使い方肉質が締まって煮くずれしにくく、雑煮や煮物に向きます。出荷のピークは正月前の12月下旬です。
出典
結崎ネブカ
ゆうざきねぶか大和の伝統野菜川西町
旬1612
煮るととろりとした食感と甘みが出る、やわらかな葉ねぎです。
物語を読む
観世流の能が生まれた地とされる川西町結崎には、室町時代に翁の能面とともに天からねぎが降ってきて、それを植えたという言い伝えがあります。やわらかく折れやすいため市場向きではなく、戦後は市場から姿を消しましたが、地元の宇野正増さんの家が先祖からの種で自家用に作り続けていました。2002年に商工会がこれを知って町おこしとして復活に取り組み、平成18年には生産部会が発足しました。
使い方ねぎ特有の辛みが少なく、粘りが強いのが特徴です。煮炊きもの、豚汁、ぬたのほか、すき焼き、焼き鳥、パスタ、グラタンにも使われ、県はイカと白味噌のぬたを勧めています。
出典
小しょうが
こしょうが大和の伝統野菜奈良市 ほか
旬1612
小ぶりながら辛みが強く、筋の少ない在来のしょうがです。
物語を読む
昭和の初めまで、奈良市・平群町・高市郡などの砂質の土地に大きな産地がありました。冬を越させる種しょうがは土の中で保存し、山の地域では横穴、平地では縦穴を掘って貯えてきました。
使い方繊維がきめ細かく歯切れがよいので、甘酢漬けや奈良漬に使われます。新しょうがとしての収穫はお盆ごろが最も多くなります。
出典
花みょうが
はなみょうが大和の伝統野菜五條市
旬1612
つやのある淡いピンク色で、ふっくらと大ぶりなみょうがです。
物語を読む
半日陰で水はけのよい土地を好むため、五條市などの山あいで古くから作られ、明治初期の村の記録にも収穫量が残っています。奈良は高知に次ぐ花みょうがの産地とされ、大和野菜として認定されているのは露地で育てたものです。
使い方やや硬めで形が崩れにくく、香りと歯ざわりを生かして薬味や漬物に使われます。地元では卵とじや炊き込みご飯にもします。
出典
大和きくな
やまときくな大和の伝統野菜曽爾村、天理市、宇陀市、奈良市 ほか
旬1612
葉が大きく切れ込みが深い、香りのやわらかな菊菜(春菊)です。
物語を読む
葉の大きな「中大葉系」の菊菜は奈良県で選び出され、全国に広まるもとになりました。奈良市大安寺地区では、農家が自ら花を咲かせて種を採り、昔ながらの味を守っています。
使い方鍋物、すき焼き、おひたしのほか、サラダに混ぜると香りのアクセントになります。ゆでるときは食感が残るよう、さっと火を通すのがよいとされています。
出典
紫とうがらし
むらさきとうがらし大和の伝統野菜県下全域
旬1612
花びらも実も紫色をした、辛みのほとんどない甘味種のとうがらしです。
物語を読む
古くから家庭菜園で作られ、農家の自給用だったため県内でもあまり知られていませんでしたが、2006年に大和の伝統野菜に認定されてから知られるようになりました。一方で、地元の種苗業者が受け継いできた系統は失われつつあり、県のジーンバンクで保存が進められています。
使い方焼き物、つくだ煮、天ぷらに向きます。加熱すると紫色が淡い黄緑へ一瞬で変わるため、卓上の炭火焼で色の変化を見せる使い方も勧められています。
出典
黄金まくわ
おうごんまくわ大和の伝統野菜県下全域
旬1612
黄金色の美しい皮と、ほのかな甘みを持つまくわうりです。
物語を読む
藤原京跡や平城京跡からは瓜の種が出土しており、奈良では古くから瓜が食べられてきました。奈良県農事試験場が昭和の初めに品種づくりを始め、昭和11年に育成した「黄1号」は、まくわうりの基準品種とされています。メロンが広まる昭和30年代までは高級品で、県内では「マッカ」の愛称で呼ばれています。
使い方メロンのように切って生で味わうのが一般的です。お盆のお供えにもよく使われます。
出典
片平あかね
かたひらあかね大和の伝統野菜山添村
旬1612
葉の筋から茎、根の先まで赤い、細長いかぶです。
物語を読む
山添村の片平地区で古くから作られてきたかぶで、少なくとも戦前には、農家が自分で食べたり親戚や知人に贈ったりするために育てていました。地区では毎年品評会を開いてよい系統を選び、種を守っています。名前は、大和野菜に認定されたのをきっかけに、地域の人たちの投票で決まりました。
使い方漬物やサラダに向き、甘酢に漬けると根の芯まで鮮やかな赤に染まります。地元では間引き菜を甘酢漬けにし、根と葉を一緒に漬けることもあります。最近は焼き野菜にも使われています。
出典
大和三尺きゅうり
やまとさんじゃくきゅうり大和の伝統野菜奈良市、天理市 ほか
旬1612
皮が淡い緑色でやわらかく、歯切れのよい長いきゅうりです。
物語を読む
明治後期に県内で交配して生まれた品種で、大和高原一帯で昭和の中ごろまで作られていました。長くまっすぐ育てにくく箱詰めにも不便なため市場からは消えましたが、歯切れのよさと皮のやわらかさが評価され、奈良漬用の契約栽培で残ってきました。2023年度からは天理市が生産農家や民間事業者と組み、このきゅうりの奈良漬を新しい名産にする取り組みを進めています。
使い方主な用途は奈良漬で、県内の飲食店では浅漬けにも使われています。
出典
大和丸なす
やまとまるなす大和の伝統野菜大和郡山市、奈良市 ほか
つやのある紫黒色で、ヘタに太いとげがある丸なすです。
物語を読む
大和郡山市や奈良市で古くから作られ、主に京都や京浜の市場へ出荷されてきました。県の研究報告では、賀茂なすから独自に選び出された系統群とされています。実が一般的ななすの2倍近い重さになるため、1株からとる数を抑えて品質を保っています。
使い方肉質がよく締まって煮くずれしにくく、焼いても揚げても油を吸いすぎません。田楽、揚げ物、焼き物、煮物に向き、料亭では田楽や揚げ出しが定番です。
出典
下北春まな
しもきたはるまな大和の伝統野菜下北山村
旬1612
切れ込みのない丸く肉厚な葉を持つ、下北山村の漬け菜です。
物語を読む
村で昔から家庭用に作られてきた菜で、明治時代から、塩漬けの春まなでご飯を包む「めはり寿司」が山仕事のごちそうでした。周辺の地域では高菜で包みますが、下北山村では春まなを使います。「春まなのめはり寿司」は日本遺産「吉野」の構成文化財になっています。
使い方高菜のような辛みがなく、うまみが濃く口当たりのやわらかい菜です。漬物、めはり、鍋物のほか、味噌和えにも向きます。
出典
筒井れんこん
つついれんこん大和の伝統野菜大和郡山市
旬1612
節が長く粘りが少ない、甘みとシャリシャリした食感のれんこんです。
物語を読む
大和郡山市の筒井城跡とその周りは、土がやわらかく地下水の豊かな湿地で、古くから質のよいれんこんが作られてきました。城の内堀の跡は今は蓮田になり、県の景観資産に選ばれています。生産者は減っており、後継ぎが課題とされています。
使い方煮物、天ぷら、ピクルスに向きます。正月のおせち用に年末の需要が高まります。
出典
味間いも
あじまいも大和の伝統野菜田原本町、天理市
旬1612
切り口が白くきめ細かい、ねっとりと粘りの強いさといもです。
物語を読む
昭和の初め、田原本町味間(あじま)の生産者が奈良県農事試験場から有望な系統を譲り受け、作り続けてきました。町には、昭和30年代中ごろに味間出身の企業の重役がこの芋を毎年歳暮に贈ったという話が伝わり、そのころから栽培が広がったとされます。2014年に大和の伝統野菜に認定されました。
使い方煮っころがし、田楽、蒸し芋に向き、みそ汁にも合います。皮をむいても手がかゆくなりにくいのも特徴です。
出典
黒滝白きゅうり
くろたきしろきゅうり大和の伝統野菜黒滝村
旬1612
実全体が白く、皮が薄くてコリコリした食感のきゅうりです。
物語を読む
黒滝村で江戸時代から作られてきたと伝えられ、今も種が受け継がれています。地元では塩漬けのあと数か月ぬかに漬け込む「ひね漬け」にして、茶粥とともに食べてきました。村は平成23年度からよい系統を選び出し、平成26年度からはその苗を無償で配って、栽培を支えています。
使い方えぐみがなく、主に漬物に使われます。生で出回ることはほとんどありませんが、最近はサラダや浅漬けにも使われています。
出典
大和ふとねぎ
やまとふとねぎ大和のこだわり野菜御所市、山添村
旬1612
白い部分が太く短い、株分かれしない一本ねぎです。
物語を読む
下仁田系の根深ねぎで、県は洋食にも合うこだわり野菜として紹介しています。
使い方白い部分は生ではかなり辛いものの、加熱すると甘みととろりとした食感が出ます。葉も肉厚で、すき焼き、煮物、焼き物のほか、焼き浸しやポタージュ、パスタにも使えます。
出典
大和寒熟ほうれん草
やまとかんじゅくほうれんそう大和のこだわり野菜曽爾村、奈良市
旬1612
冬の寒さにじっくり当てて、甘みを引き出したほうれん草です。
物語を読む
ほうれん草は寒さに当たると育ちが遅くなる一方、糖分が増えます。この性質を生かし、品種、作り方、産地、糖度の確かめ方を定めた手引きに沿って作られています。曽爾村では、もとは夏だけ出荷していたほうれん草を、冬に糖度が上がるこの商品によって一年中出荷できるようになりました。
使い方和え物、おひたし、油炒めに向きます。
出典
半白きゅうり
はんじろきゅうり大和のこだわり野菜葛城市
旬1612
ヘタ側の緑から先端の白へと色が移る、昔ながらのきゅうりです。
物語を読む
かつて奈良で「きゅうり」といえば半白を指すほど、広く作られていました。戦後、生で食べて歯切れのよい緑色のきゅうりが主流になると、皮が硬く漬物向きだった半白系は姿を消していきましたが、一部の産地で生食にも向くよう改良したものが作られています。
使い方食感のよさを生かして、もみうりやサラダに向きます。県は塩もみを勧めています。
出典
香りごぼう
かおりごぼう大和のこだわり野菜五條市
旬1612
長さ約20cmと短く、香りが強くアクの少ないやわらかな春ごぼうです。
物語を読む
金剛山・葛城山のふもとの、砂質で水はけのよい扇状地では春ごぼうが盛んに作られてきました。2000年には生産者が北宇智ゴボウ出荷組合をつくりました。かつて「北宇智の春ごぼう」と呼ばれていたものが、いまは「香りごぼう」の名で出荷されています。秋に稲を刈ったあとの田に植え、夏には稲を作ることで、ごぼうが嫌う連作の害を抑えています。
使い方きんぴらや天ぷらのほか、ささがきをさっとゆでてサラダにもできます。香りは皮の近くに多いので皮はこすりすぎず、アクが少ないため水にさらすのも軽くでよいとされています。
出典
朝採り野菜
あさどりやさい大和のこだわり野菜レタス:宇陀市、奈良市 ほか/なす:天理市、葛城市 ほか/きゅうり:桜井市 ほか
気温の低い朝に収穫し、その日のうちに店頭へ届けるレタス・なす・きゅうりです。
物語を読む
野菜の温度が下がっている朝に収穫すると、収穫後の呼吸で糖分などが減りにくく、みずみずしさが保たれます。大都市に近い奈良県の立地を生かした取り組みです。
使い方みずみずしさを生かして、サラダなどに向きます。
出典